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無審査でカンボジア特許

by 弁理士 田中智雄

日本で特許査定された発明なら、カンボジアでも特許を付与する制度。

一見、便利そうだけど、すぐに違和感を覚えました。

この制度だと、カンボジアでは日本の審査基準で特許になっている発明と、カンボジア基準で特許になっている発明が存在することになります。

もしアメリカとも同じようなシステムを導入したら、アメリカ基準で特許になった発明も存在することになってしまいます。

一国のなかでダブルスタンダード、トリプルスタンダードにより特許権が付与されるこの制度、ちょっとやり過ぎな気がします。

カンボジアの特許制度が未発達というのが今回のシステムの導入理由ですが、特許制度はその国の産業政策を左右する重要な制度です。

これを他国に委ねてしまっては、これからの経済発展を阻害してしまう気がしてなりません。

特許属国になってしまいます。

今後、カンボジア特許というオプションを獲得した国が増えてくれば、どの国を経由してカンボジアにCPG申請するかという特許ショッピングが起こります。

例えば、中国が自国の出願数を増やしたいがために、CPGを利用できる国を多数獲得すれば、CPGオプションを得るために中国に出願するという国もでてきます。

PCTのような統一手続きと違い、実体審査をバイで締結してしまうと、やはり強い国が有利ということになり、中国のような国も、強引に参加してくることが予想できます。

特許庁によれば、この制度を、他の新興国にも拡大させたいようですが、ちょっと待ってという気がしてなりません。


弁理士 田中智雄
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